「 ギヤ比とトルクのオイシイ関係 」
07/10/19(金)
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出力比較グラフ追加 バルタイでトルクの出方は変わる。じゃあ、
どんなバルタイを選べば一番"オイシイ"のか? コレは、エンジンの特性、走るステージやギヤ比、ファイナル、
シフトポイント等をトータルで考えなきゃいけない。
バルタイ102-105の時のシャシダイ結果をエクセルに落とし、スタート回転数を2000rpm、最高回転数を仮の7600rpmとし、
中間回転数は均等で割り付けた表を製作してみた。コレで馬力は計算から求められる。回転数がとれていないだけなら、
コレで恐らく精確な数値が出ると予想。シャシダイは、"トルク"を測定する装置のハズなので・・・馬力は、
簡単に言えばトルク×回転数の数値。高回転で高いトルクを発生しているエンジン=大馬力エンジン。正確には、「(トルク×回転数)/716
= 馬力」。
135.5ps。最大トルクは恐らく4500rpm辺り。下に降ったバルタイだと、上のトルクは落ちるから大体こんなものだと思う。
(案外精確にでたなぁ)
トルクは
・16kg以上:赤
・15kg以上:オレンジ
・14kg以上:黄色
・13kg以上:緑
・12kg以上:水色
で色分けしてみた。シャシダイでは7600rpmまでだったので、普段全力で回しきっている7800rpmを予測として追加。
トルクカーブは急落してそうなので、もっと落ちてるかも知れないけど、まあ目安として。
で、コレにギヤ比のデータを合わせると、以下のようになる。
横の色つきバーは、レブまで引っ張ったときの使用回転域。ピンクのバーはNAの純正である5速ミッション+4.3ファイナルで、
7000回転でシフトした例だけど、
・1速で56.6km/hまで加速し2速へ
・2速に繋がり4200rpm
・2速7000rpmで94km/hまで加速し3速へ
・3速に繋がり4930rpm
・3速7000rpmで133km/hまで加速し4速へ・・・
と言う感じ。ここで、シフト後のトルクを見ると
・1速で56.6km/hまで加速し2速へ
・2速に繋がり4200rpm 16.3kgmのトルクを発生 ・
2速7000rpmで94km/hまで加速し3速へ
・3速に繋がり4930rpm 16.5kgmのトルクを発生 ・
3速7000rpmで133km/hまで加速し4速へ・・・
シフト後にちゃんとトルクが出ている領域かつ、ソレが上まで伸びているかが重要になる。この計測結果のトルク特性は、
恐らくノーマルのNAとそれほど差が無いと思うのだけど、こうしてみると純正のギヤ比はエンジンの美味しいところを上手く使い、
かつ少々回転が落ち込んでもリカバリー出来る様な設定に見える。さすがは純正。
で。
6速かつファイナル4.777、レブを7800rpmとしていた僕はどうだったかというと
・1速で47.5km/hまで加速し2速へ
・2速に繋がり4680rpm 16.3kgmのトルクを発生 ・
2速7800rpmで79km/hまで加速し3速へ
・3速に繋がり5630rpm 15.9kgmのトルクを発生 ・
3速7800rpmで109km/hまで加速し4速へ・・・
6速の狭いギヤ比に超低いファイナルで、1、2速は一瞬で吹けきってしまい、2速で7800rpmまで回しても79km/hしか出ない。
2速にシフトした時点のトルクは丁度てっぺんだけど、47.5~79km/hの加速で一瞬。3速以降がメインになるけど、
3速に入った時点のトルクは15.9kgmで既に下降線であり、トップエンドでは11kgm台のヘロヘロトルクしか出ていない。
つまり、上まで回す意味が全くない。(=無かった)
この場合、6500~7000rpm辺りでシフトする事が最も効果的となる。
で、色々調べていると、既に経験豊富な先人により解明されていた。R-Junkieの角さんが、
シフトアップ回転数による速度のノリを検証されていた。(走る実験室→走る実験室→真面目な話その16の下の方)
ノーマルエンジンに排気カム流用仕様(つまりほぼノーマル)で、7700rpmシフトと7000rpmシフトを比較した場合、
3速以降明らかに遅くなると言うデータ。
なんでこんな事をせっせと考えていたかと言うと、4.77化して全然速くならないのは何故?
上まで回すのがエラくて速いんでしょ?的な、疑問と思いこみを解決する為に、手持ちの資料と周りの資料と、
有識者のお話を交えて検証して、ああ、回し過ぎかあ・・・・と言う極簡単な答えが出たと言う、
切ない物語。
そして、110-105のシャシダイデータで馬力を計算し、
ギヤ比を重ねてみると・・・。
7113rpmで145psを発生。最高出力で10馬力上がりました。
たぶん、仕様適に妥当な値だと思う。トルクバンドは若干上に。だけど、低速もほとんど痩せていないし、
上はかなり伸びている。
並べてみると・・・。
無理矢理丸め込んで直接比較したグラフ
コマ数が1個違うので直接比較出来ないけど、それでもどちらが良いかは一目瞭然・・・・
110-105は広いトルクバンドが上まで伸びている。102-105は5500rpm辺りを境に一直線に下降。恐らく、ギヤ比を問わず、
このエンジンで最適なバルタイは110-105だった。
(5速4.1ぐらいなら、
このバルタイも悪くはない可能性もあるかも知れない・・・)
102-105と馬力で比較すると、最高出力で10ps、トップエンド付近では12ps、
4300rpm辺りを境に2~3psも向上している。
今まで135馬力の102-105バルタイで
7800rpmシフトしてきた僕は
なんだったんだー!!!
だぁーっ だぁーっ・・・(やまびこ)
そう、レブの設定も間違え、美味しいバルタイも間違えてたという話。事前にこうやってちゃんと検証すればわかったのだけど、
こういうのをちゃんと考えた事などない!!(威張るな) 僕なので、
ファイナルを換えるまで気付かなかった。
「まあ、何事も経験だゼ・・・坊や」(ハードボイルドぐ)
何事も、やらん事には、わからんもんですからな・・・経験値は増えました。こうやって重い腰を上げ、
データをデータとして整理したからこそわかった正しい現実。貴重な糧でございます。
◆4.3→4.777で遅くなった件の真相
4.3の時も同じく7800rpmシフトで、美味しくない所で走っていたという点では同じなのだけど、
4.7化で各ギアのカバーする速度域が変わる為
・4.3の3速は7800rpmシフト時、88~122km/h
・4.7の3速は7800rpmシフト時、79~109km/h
4.7化する事で、同じ速度でもエンジンはより高回転側にシフトする。高回転化でオイシイハズ!と考えていたが、
実は逆だった。主に3速の中間で走っていたのが、主に高回転側にシフト。これにより、
全然オイシクナイ領域だけで走っていた。・
・・というのが事の真相。
◆まとめ
・ノーマルに毛の生えた程度のエンジンで最適なシフトポイントは、
6500~7000rpmである ・上でトルクが伸びないエンジン(つまりノーマル)
でレブを解除してまで上まで回す意味はない
(遅い上にブローリスク増大で目も当てられない。ただし、
シチュエーション次第では回しきる事も有効な事がある。) ・ クルマはトータルバランスである。
つづく。
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